2017.05.14
未完成の魅力、ツァイガルニック効果とは
スペインのバルセロナにあり、建築家アントニ・ガウディの
未完作品の世界遺産と言えば?
「サグラダ・ファミリア」です。
サ ク ラ ダ、ではなく。
サ グ ラ ダ、なんですよね。
1882年から建築が開始され、いまだ完成していません。
しかし未完成だからこそ、人々の記憶に強く残っているともいえます。
サグラダ・ファミリアの魅力というのは、
その造形美だけではなく、未完成の状態から完成へ近づいていくさまを観察できる。
その過程にもあるのでしょう。
ツァイガルニック効果と言う現象をご存知でしょうか。
ツァイガルニック効果とは、
『人は達成できなかった物事や、中断・停滞している物事に対して、より強い記憶や印象を持つ』という心理学的な現象です。
テレブドラマの話の途中で、『次回につづく』と引っ張るあれです。
視聴者は、『えっ、ここで終わるの!?』と中途半端感が残り、次回の視聴につながります。
人は、完成・完結した物事に対してはスッキリとするので、ほかの事へ意識を移すことができます。
ですが、未完成・不完全なものに対しては、どうでしょう。なんともスッキリとしない心地の悪さを感じます。
やり残したのような、もやっとした感じが記憶に残り、
「完成させたい」「スッキリしたい」という欲求を湧き立たせます。
↑ここ、「い」まで線引きたくなりますよね?
それが、欲求が興味や関心となり、深く印象付けられます。
ツァイガルニック効果が働いているとすると
サグラダファミリアは、未完成であるがゆえに、人々の気を惹きつけていると言えます。
そして、完成した後には、その興味関心は薄れて行くのかもしれません。
人は完全である必要などありません。不完全であるからこそ、印象に残るのです。
脳の記憶とは、そう言うものなのです。
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